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<神戸・橋桁落下>ごう音と土煙「逃げろ」

<神戸・橋桁落下>ごう音と土煙「逃げろ」…作業員ら絶叫 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

「逃げろ」…作業員ら絶叫

毎日新聞 4月22日(金)21時12分配信

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 山間部を貫くように建設が進む高速道路の工事現場に、「バリバリッ」というごう音が響き、足場と一緒に人が落ちていった。神戸市北区の新名神高速道路で22日、10人が死傷した橋桁の落下事故。工事関係者らが、生々しい事故の様子を証言した。【藤田宰司、粟飯原浩、田辺佑介】

【写真特集】橋桁が落下した事故現場

 現場では、けがの程度で負傷者の搬送や治療に優先順位をつけるトリアージが行われた。緊急の治療が必要な人には赤、次に優先される人には黄色のタグがつけられ、ヘリや救急車で次々に病院に運ばれていった。

 橋桁の足場の解体作業をしていた、とび職の梛木(なぎ)拓也さん(20)=大阪市大正区=は「バチンという大きな音がして、地面に投げ出された」と話す。梛木さんが作業していたポイントは地面から5メートル程度の高さで、下に落ちた後はしばらく動けなかったが、同僚が抱き起こしてくれた。「何が起きたのか、すぐにはわからなかった。血まみれの人もいた。一歩間違えば、けがでは済まなかったかもしれない」と恐怖を語った。

 神戸中央病院に搬送され、足首の骨折と診断された小崎鉄男さん(68)=兵庫県川西市錦松台=は、資材の鋼材を持ち帰るため、橋桁の真下に止めていたトラックの荷台に立っていた。川の向こう岸で橋桁が地面に落ちるのが見えた。「やばい」と思って荷台から飛び降りた際に足首をひねり、近くにいた作業員に抱えられて逃げたという。小崎さんは「建設の仕事をしているのでけがをすることはあるが、死ぬような思いをしたのは初めてだ」と話した。

 現場近くの機械整備会社で勤務中だった木田和信さん(51)は、「バリバリッ」という雷のような音を聞いて屋外に出ると、傾いた橋桁が土煙を上げ、ずれながら落ちていくのが見えたという。近づくと4人の作業員が倒れていた。うち2人は頭から血を流してぴくりとも動かず、さらに別の1人は右足に大けがをしているようだった。周囲にいた作業員らは「危ないから逃げろ」と叫んでいたという。

 また、近くの建設会社に勤務する川田浩輔さん(26)は「事故の10分前に車で現場の下を通っただけに、冷や汗が出る」と青ざめた表情で語った。

 周辺には、住宅や会社事務所などが建ち並ぶ。近くに住む農業の上野三生(みつお)さん(63)は「住民説明会で、『西から東に向かって橋を少しずつ伸ばすという少し変わった工法です』と説明があった。3月下旬に橋がつながり安心していたのに……」とショックを受けた様子だった。別の男性(72)は「安全の上にも安全が求められる高速道路の工事で、こんな事故が起こるなんて信じられない。早急に原因究明をしてほしい」と話した。

 ◇建設中事故、後絶たず

 建設中の橋桁が落下する事故は後を絶たない。1991年3月、広島市安佐南区の広島新交通システムアストラムライン」(高架式)の建設現場で、長さ約63メートルの鋼鉄製の橋桁(約60トン)を橋脚に据え付ける際、橋桁が市道に落下。車11台が下敷きになり、作業員を含む15人が死亡し、8人が重軽傷を負う大事故になった。

 山陽自動車道(広島県尾道市)でも92年12月、架設中の長さ41メートルの橋桁(約100トン)が約40メートル下の谷底に落ち、作業員3人が重傷を負うなどした。

 愛媛県今治市では98年6月、瀬戸内しまなみ海道内の来島海峡大橋を建設中、工事用の橋桁(約47トン)が約60メートル下に落下し、工事関係者ら7人が死亡した。

 今回事故があった神戸市でも87年2月、西区で阪神高速道路の橋桁(約400トン)が崩れ、作業員2人が死亡、7人が重軽傷を負った。【吉村周平】

 

 

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