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 昼下がりの大通り。

その歩道を暴走する軽乗用車が凶器となり、

行き交う人たちの日常を奪った。

28日、宮崎市で起きた事故。

歩行者らが次々とはねられ、

2人が死亡、4人が重軽傷を負った。現場に遭遇した市民らは驚き、恐れ、怒りを語った。

 ぐったりと倒れた女性、顔から血がふき出ている50~60代ぐらいの女性……。JR宮崎駅前の交差点付近で車が横転するのを目撃した会社員の女性は、凄惨(せいさん)な光景を振り返った。横転した車の近くには男性がおり、運転手のようにみえた。頭から血が流れ、救急車で運ばれた。

 現場は、宮崎駅から西方に延びる大通り。ビルや百貨店、

複合商業施設などが並ぶ。軽乗用車は、駅から西へ

約700メートルの地点にある百貨店「宮崎山形屋」付近から歩道に入り

、歩行者を次々にはねながら駅の方に進んだとみられている。

現場にはぐしゃぐしゃになった自転車が多く倒れ、衝突の強さを物語った。

 百貨店付近にいた警備員の男性(53)は軽乗用車が歩道を駅方向へ走るのに気づいた。

「徐行とは言えない速さだった」。おかしいと思い

、走って追いかけると、200メートルほど東に進んだあたりで

車は女性をはねたという。

 「歩道を走るのは不自然なはずなのに

びっくりするほど自然にスーッと走っていった。

店に横付けするのかと思ったほど」。

百貨店から200メートルほど東の商業施設「カリーノ宮崎」の

カフェテラスにいた会社員男性(29)はこう振り返った。

運転していた男性も見たが、「ふつうの様子だった」と言う。